XMTradingの取引と確定申告の基本理解
海外FXであるXMTradingを利用して取引を行った場合、日本居住者は所得税法に基づいて必ず確定申告を行う必要がございます。国内FXと異なり、海外FX業者は「雑所得（総合課税）」に区分されるため、利益に応じて累進課税が適用されます。そのため、正確な書類の準備と提出が重要となります。
必要となる確定申告書類の一覧
XMTradingでの取引に関する確定申告には、以下の書類が必要です。
- 年間取引報告書（取引履歴）
XMTradingの会員ページからダウンロード可能で、入出金履歴や約定履歴をExcelまたはPDF形式で取得できます。 - 入出金明細書
クレジットカード、国内銀行送金、bitwalletなどで行った入出金履歴を証拠として保存しておく必要がございます。 - 損益計算書（自作または税理士作成）
XMTradingが日本国内の証券会社と異なり「年間損益報告書」を自動で発行しないため、取引履歴を基に損益を集計して計算書を作成する必要があります。 - 給与所得者の場合：源泉徴収票
サラリーマンやパート勤務の方は勤務先から受け取る源泉徴収票と一緒に提出が必要です。 - その他必要書類
・マイナンバーカードまたは通知カード
・本人確認書類（運転免許証など）
・各種控除証明書（生命保険料控除、医療費控除などを利用する場合）
取引履歴の入手方法と整理
XMTradingの会員ページにログインし、「レポート」もしくは「口座履歴」から期間を指定して取引履歴をダウンロードします。Excel形式で取得できるため、年度単位でまとめ、損益を計算し直すことが可能です。この取引履歴を基に日本円換算を行い、年間損益を確定させます。
円換算のルール
海外FX取引はすべて外貨建てで行われるため、確定申告では日本円に換算する必要がございます。換算には原則として「TTM（仲値）」を用い、取引日ごとにレートを参照して計算する方法が推奨されます。税務署に提出する際には、換算レートの根拠（銀行公表データなど）も保存しておくことが重要です。
所得区分と課税方式
XMTradingで得た利益は「雑所得」に分類され、給与所得や他の所得と合算されます。税率は以下の累進課税に基づき計算されます。
- 195万円以下：5%
- 195万円超～330万円以下：10%
- 330万円超～695万円以下：20%
- 695万円超～900万円以下：23%
- 900万円超～1800万円以下：33%
- 1800万円超～4000万円以下：40%
- 4000万円超：45%
また、住民税として一律10%が追加で課税されます。
損益通算と損失繰越
国内FXと異なり、海外FXは他の所得（給与・不動産など）と損益通算が可能です。しかし、先物取引や株式譲渡益との損益通算は認められていません。また、国内FXで認められる「損失繰越控除」も海外FXには適用できないため、年間で損失が発生しても翌年以降に繰り越すことはできません。
確定申告書の作成と提出手順
- 国税庁e-Taxサイトにアクセス
e-Taxを利用すれば、取引履歴を基にした損益計算を入力し、そのままオンラインで申告が可能です。 - 所得金額の入力
雑所得の欄にXMTradingで得た利益額を入力し、円換算した数値を記載します。 - 必要経費の計上
入出金時の手数料やVPS利用料など、取引に直接関連する費用は必要経費として計上可能です。 - 控除の適用
基礎控除、配偶者控除、社会保険料控除などを併せて申告することで、課税対象額を減らせます。 - 提出
e-Taxでオンライン提出、または紙ベースで税務署に郵送・持参する方法がございます。
よくある間違いと注意点
- XMTradingは「分離課税」ではなく「総合課税」である点を誤解しやすい
- 損失を翌年に繰り越せないため、注意が必要
- 年間20万円以下の利益であっても、給与以外の副業所得がある場合は申告が必要になるケースがある
- 書類不備や計算ミスは税務署からの問い合わせや修正申告の対象となる
まとめ
XMTradingを利用して取引を行った場合、確定申告では年間取引履歴を基に損益を計算し、必要な書類を整えて雑所得として申告することが必要であり、正しい換算方法と必要経費の計上を行うことで税務リスクを避けつつ適切な納税が可能となります。